Windows11搭載のパソコンにCopilotキーというのが導入されるというVOAの記事を読んでいたら気になる文を見つけました。
Starting this month, some new personal computers that run Microsoft’s Windows 11 operating system will have a special “Copilot key.” The key will launch the software company’s AI chatbot.
文頭のStarting this monthの部分を分詞構文と判断したのですが、そうすると主語がsome new personal computers that run Microsoft’s Windows 11 operating systemとなります。
だとすると、Some new personal computers that run Microsoft’s Windows 11 operating system start this month.という文が作れることになりますが、startという動詞がパソコンを主語に持ってこれるのか疑問に思いました。
上記の英文全部をDeepLに訳しもらうと、以下のようになりました。
今月から、マイクロソフトのウィンドウズ11を搭載した一部の新しいパソコンには、特別な “Copilotキー “が搭載される。このキーを押すと、ソフトウェア会社のAIチャットボットが起動する。
DeepLは、Starting this monthを「今月から」と訳しています。
startingに「~から」なんて意味があるのかなと思って、startingを辞書で調べてみたのですが、ジーニアス、コンパスローズともstartingで見出しを立ててはいませんでした。
慣用的な分詞構文なのかなと思って手持ちの文法書を調べたのですが、見つけることができませんでした。
そこでネットを検索していたら、次のページを発見しました。
このページによると、ジーニアス英和大辞典startの自動詞の箇所にstartingを前置詞的に使う例が記載されているとあったので、早速手元のEPWING版のジーニアス英和大辞典を調べたら掲載されていました。
[~ing;前置詞的に] …から, 以降(beginning)∥~ing in 1999 1999年以降/They agreed to increase output by a total of 1.45 million barrels a day, ~ing April 1st. 彼らは4月1日から1日合せて145万バレルの増産に踏み切ることで一致した.
ジーニアス英和大辞典にあるということは、ジーニアス英和にもあるだろうと思ってstartを第6版で調べてみると、以下の記載がありました。
[分詞構文として;~ing ;前置詞的に]…から[以降](beginning)
starting in 1999 1999年以降.
ジーニアス英和第6版には例文こそありませんでしたが、「分詞構文として」との記載があります(第5版には「分詞構文として」の記載はなし)。
第6版には例文はありませんでしたが、第5版の方には例文がありました。
We got a ten day road trip starting Tuesday.
火曜日から10日間のロードでの試合が始まる
Starting in the 1970s, high feminine voices were considered less attractive.
1970年代以降,高い女性の声はあまり魅力的でないとみなされた
【追記】ウィズダム英和辞典第4版にも記載があった
ウィズダム英和辞典第4版のstartの項にも以下の記載がありました。
前置詞的に; ~ing A A<ある時間>から, Aより始まって
starting next year [in 1999]
来年[1999年]以降
ジーニアス、ウィズダムのどちらも1999年以降という例を使っているのが気になりました。両方の辞書の編纂に関わった人がいたのだろうか。それとも…