VOA(Voice of America)のトップガンの訴訟に関する記事を読んでいたら、ちょっと訳しづらい表現に出会いました。
A spokesperson for Paramount Pictures said in a statement that the claims are without standing.
このwithout standingの部分がよくわかりませんでした。
withoutは前置詞なので、standingの品詞は名詞です。standingを名詞として辞書を何冊か調べると、立場、資格、原告適格(個人的利害関係があるために訴訟提起できる資格)、当事者適格などの意味があることがわかりました。
トップガンの原作者はすでに亡くなっており、今回、パラマウントを訴えたのは原作者の奥さんと息子ということなので、そういう意味でwithout standingは、訴える立場にないとか訴える資格がない(法的根拠がない)という意味なのかなと思いました。
VOAの記事はAssociated Pressの記事をVOA向けに書き直したものです。
APの記事では、without standingの部分はwithout meritになっていました。
A spokesperson for Paramount Pictures said in a statement that the claims “are without merit, and we will defend ourselves vigorously.”
without meritでメリットがないとも訳せそうですが、meritを辞書で引くと複数形のときに法律用語として本案、理非、曲直などの意味があることがわかりました。
上の文で使われているmeritは単数形なので、本案、理非、曲直などの意味が当てはまるかはちょっとわかりませんが、without standingがwithout meritを言い換えたものだとすると、without meritは訴えの体をなしていないとか、訴える道理がないとかいう意味だと判断しました。
Bloombergでもこの記事を取り上げており、Bloombergではwithout meritの部分を「根拠がない」と訳していました。
根拠がないというのはうまい訳し方だなと思いました。
うまい訳し方なので、without meritというのは法律用語か何かの専門用語で、すでにこなれた日本語訳が存在している言葉なのかなと思いました。
ジーニアス大英和、ジーニアス、オーレックス、ルミナス、英辞郎を調べても出てこなかったので、僕にとってはかなり難しかったです。
英語を勉強していると、一見簡単な単語が組み合わさったことばの意味が難しいことがよくあります。