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英文解釈教室の2.2.11の例文のLowellさんはハーバード大学の総長ではなかった

英文解釈
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英文解釈教室の2.2.11にこのような例文があります。

英文解釈教室の2.2.11

President Lowell of Harvard University once defined a university as a place where nothing useful is taught.

(和訳例)ハーバード大学のローウェル総長はかつて、大学とは役に立つことは何一つ教えられない場所であると定義した。

*和訳例は英文解釈教室のものとは異なります。

ChatGPTにこの英文の出典を尋ねたらおもしろいことがわかりました。

この英文の出典は、S. Radhakrishnan(サルヴパッリー・ラーダークリシュナン)という人の「India and China: Lectures Delivered in China in May 1944」で、ラーダークリシュナンが1944年5月に中国で行った講演をまとめたもののようです。

その中に、2.2.11の例文と同じ文章が出てきます。
この例文だけ読めば、ローウェルさんが大学を卑下しているようにも見えますが、この例文の真意は、職業教育ばかりを重視して、文学などの学問を実用性だけで評価する人々への批判です。つまり大学では即物的・職業的に役立つものだけを教えるべきではないというのがローウェルさんの主張です。

2.2.11の出典は上記の本と書きましたが、ローウェルさんのこの発言は1886年のハーバード大学創立250周年記念式典で行われたものです。つまり140年前です。

で、この2.2.11の発言をしたローウェルさんですが、実はハーバード大学の総長ではありませんでした。

このローウェルさんの名前はJames Russell Lowellで、ハーバード大学教授ではあったのですが、総長ではありませんでした。

ローウェルさんに大学とは何かの質問をしたのは当時のハーバード大学総長だったJames Walkerです。

「India and China: Lectures Delivered in China in May 1944」ではここに誤解が生じて、ローウェルさんをハーバード大学総長だったと誤認した可能性があります。

さらにややこしいことに、Abbott Lawrence Lowellという別のローウェルさんもいます。しかもこの人は1909~1933年にハーバード大学の総長を務めた人物です。なので、誤解や誤認が重なって、出典元の書籍ではローウェルさんを総長として記載してしまったようです。

この文章を読んでも何を言っているのかわからないと思ったので、ChatGPTにイラストとしてまとめてもらいました。

この図解を見れば、すっきり理解できると思います。

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