時間差、前後関係のある付帯状況のwith
北村一真さんの『英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで』を読んでいたら、次の英文が出てきました。
A shortlist of names for the new era was drawn up by a nine-member expert panel comprising seven men and two women with the cabinet selecting the final name from the shortlist.
“Reiwa” Wikipedia
新元号の名前の最終候補リストは、男性7人・女性2人から成る9人の有識者会議によって作成され、その候補リストの中から内閣が最終的な名称を選んだ
この英文の”with the cabinet selecting the final name from the shortlist”のところの訳し方が最初わかりませんでした。
「with+O+C」の形になっていたので、付帯状況の形であることはわかったのですが、付帯状況の訳は「〜しながら」しか知らなかったので、うまく訳せませんでした。
付帯状況のwithは下のジーニアスの例文のように出来事AとBが同時に起こっている状況で使うものだと思っていたので、今回のWikipediaのReiwaの項目のように出来事A(「元号に関する懇談会」)が起きて、出来事B(新元号の決定)が起こるのように、時間差がある場合でも使えることを初めて知りました。
Don’t speak with your mouth full.
口いっぱいに食べ物をほおばってものを言うな.
(ジーニアス英和辞典第6版)
手持ちの辞書や文法書で調べても、このような時間差のある付帯状況のwithの例文を見つけられなかったので、ChatGPTに聞いてみたら、「withの付帯状況=同時」とは限らないとのことで、新聞や説明文では、主節に関連する出来事を追加説明するために使われることがあるようです。
ChatGPTによると、文法的にはandに近いらしく、andを使って以下のように言い換えることができるようです。
元の文:
A shortlist was drawn up by a panel, with the cabinet selecting the final name.
言い換えると:
A shortlist was drawn up by a panel, and the cabinet selected the final name.
同時進行ではなく、時間的な前後関係のある付帯状況のwithというものがあると知れてとても勉強になりました。
文法ではなく英文の内容で気になったこと
冒頭の英語版のWikipediaの令和の記載だと、9人の有識者が新元号の名称の最終候補リスト作成したと書いてありますが、実際は9人が出席した「元号に関する懇談会」では官房長官が選定した数個の新元号の原案について意見を求められただけで、9人の有識者が新元号の最終候補を作成したというのは事実と異なります。(「元号に関する懇談会」の時点ですでに新元号の候補リストはすでに作成されています。下記リンクの「元号選定手続について」参考)


